横八会員投稿 No.374

題名:伊藤 博君投稿碌
投稿:伊藤 博(7組)
掲載:2009.08.18〜

その1  歴史探訪   食いものの恨み?    (2009.08.18)

また敗戦記念日が巡り来るが、先の大戦の戦争指導者の一人・大川周明の日記の
昭和11年8月23日付けに初耳で面白い話が紹介されている。

頃は幕末、すでに牛肉が強精の目的で非常に貴ばれていた。

その最上のものは、彦根藩で特別に食肉用に飼育していた彦根牛で、毎年、将軍家や
御三家に献上していた。然るに、井伊直弼は熱心な仏教徒で、食肉牛の飼育を止めてしまった。

ある年、水戸烈公が彦根牛の催促をすると、直弼は無愛想に、牛を殺さぬことにしたから
献上出来ませぬ、と断った。そんなことから、直弼は「愛牛先生」とあだ名されたが、
このつまらぬ一件から水戸家と井伊家の仲が悪くなったと言われている。

もし、直弼が従来通りに牛肉を水戸家に贈っていたら、桜田門で首が飛ばずに済んだかも
しれない、という逸話である。

歴史には正史があれば裏もある。忠臣蔵の原因は、実は赤穂と三河の塩に纏わる経済戦争で
あったという話は人口に膾炙されているが、この牛肉を巡るエピソードは俄には信じがたいが、
それにしても食いものの恨みは恐ろしい。

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その2  ウノ目タカの目  シムドライブ発足   (2009.08.25)

現在の自動車産業の将来を予測すると、今は大人気のハイブリッド車はあくまでも繋ぎで、
その先は高性能電池又は燃料電池による電気自動車がいずれは主流になると目されています。

世界中で高性能電池の開発が進展しています。充電も非接触方式が主流となれば充電時間の
短縮と相まって、道路によっては走行中の同時充電も可能になるでしょう。

旧来のエンジン主体の自動車産業の衰退と同時にガソリン消費量も減りますから、石油精製産業も
設備過剰となり、すでに生き残りへの模索(新素材開発、バイオ産業への進出等々)が始まっています。

その大きな流れの中で、20日新会社「シムドライブ」が発足(提携株主:慶大・ベネッセ・
ガリバー・丸紅他の産学連合)しました。

これまでの自動車の概念では、駆動源(内燃エンジン又は電動モーター)が一つで、そこから
駆動力を車輪に伝える方式でした。

そこで、慶大(清水教授)がかねてより研究開発し、既に型式証明を取得してプロトタイプの
モデル車が市街を走行しているモデル車(車輪が連装式でやや大型の高級仕様車ですが)は、
各車輪そのものがモーター(インホイールモーター。エンジン部分の省スペース化。
駆動力伝達ロス減により走行距離が2倍に伸びる)の全車輪駆動方式です。
これをコンピューター制御で最適走行を実現しています。

この初期開発の頃より実物を見ていましたが、実用化のメドが付く形に仕上がるのを持ち望んでいまた。

実際の走行から得た基本データーを蓄積しつつ、提携先と共同で、平成13年を目途に10万台以上の
量産を目指して、車両価格150万円以下、充電一回あたり300キロメートル走る5人乗りの
小型電気自動車の開発を行うと公表されました。

更に、同時に、従来のガソリン車をモーター駆動の電気自動車に換える事業も展開する点も注目されます。

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その3.  ウノ目タカの目    回復を祈る        (2009.08.31 再送信依頼を受信)

新聞報道によると、トヨタ(ダイハツ、日野をグループを含めて)は現在年間約1000万台の生産能力
に対して、昨年秋以降の販売急減で年300万台以上の過剰生産能力を抱え、ついに初の大規模な生産能力の
縮小(09年度中で国内外を含み100万台、グループ全体の1割)と報じられています。
幸いハイブリッド車は好調ですが、まだ全体のマイナスを補うには至りません。

因みに、世界の自動車生産能力は9400万台に対して需要は5400万台に止まります。
                          (日経新聞・米CSMワールドワイド調査)

トヨタに代表される自動車産業は、これまで経済の牽引役として我が国の持続的発展に大きく寄与してきました。

現政権は経済回復を「全治3年」(残り2年)として必至に取り組んでいますが、取り巻く市場環境は厳しく、
カンフル剤の投入はあくまでも急場を凌ぐ一時的な対症療法です。

自動車産業に変わりうるほどの大型産業はなかなか見あたりませんので、行く手には暗雲がいまだ漂っている
気配です。片や、内燃エンジンから電気自動車への大きな潮流もあります。

経済構造からみて、主要な大企業のパイが小さくなるのと連動して中小企業もそのしわよせがますます厳しく
なります。新たな大型産業が誕生するまでには時間がかかりますので、トヨタの窮状は日本全体にとっても
当面の大きなマイナスの要因と危惧されます。

グローバル化した諸大企業の一日も早い回復を願い、大型の新市場を開発する日本の持てる優れた潜在開発能力に
より窮地に活路を見いだすことが期待されます。