横八会員投稿 No.312

題名 歴史探訪 コーンパイプ
投稿 伊藤 博 (7組)
掲載 2009.02.04

歴史探訪

              コーンパイプ    
    

昭和20年(1945)8月30日、太平洋戦争に勝利した連合軍最高司令官、ダグラス・

マッカーサーが厚木に飛来した記録映像がある。

コーンパイプをくゆらして飛行機のタラップをゆったりと降りる姿は勝者の余裕が伺われ印象的である。

そこで、「ルーズベルト秘録」にはこのパイプ姿の秘密に触れた次のような記述がある。

マッカーサーは陸軍士官学校を優秀な成績で卒業し輝かしいエリートコースの軍歴を誇ってはいたが、
実は足が悪くステッキを使って歩かねばならないという人知れぬ悩みがあった。その故に弱々しく見られるのを払拭したいので、
1942年後半ごろよりステッキを捨てて、若々しい男のイメージを装ってコーンパイプをくゆらすように成ったのだと言う。

リンカーンも貧相を頬髭を蓄えて強くてタフな男のイメージを売り込んだことは知られている。

世の東西を問わず人の思いは同じで、天下人の秀吉も自らの面相を気にして諸大名と会うときは立派な髭を付けて臨んだし、
武田信玄は結核を患ったことを隠すために、口中に綿を含み頬に髭を伸ばしたという逸話が残っている。

そう言えば、明治の元勲の功成り遂げた後の写真をみると、皆立派な髭をたくわえている。

生死を賭して実力で勝ち取った地位と名誉であったが、いずれも出は下級武士。生まれながらに滲みでる旧幕閣の風格の前には
些か引けをとるので、西欧列国の例に倣って立派な髭を蓄えて風采を上げたいという願望は判らぬでもない。

無いものは何かで補う必要がある。人心を威圧・掌握するには人望と説得力が不可欠だが、世の英傑と称せられる人々は、
外見の印象も無視できないことを処世知として体得していたのであろう。もし、それが内実伴えば、一幅の絵になるということも。

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