横八会員投稿 No.288

題名 
株の暴落に関する学僚とのMailの往来から
投稿 伊藤 博(7組)
掲載 2008.10.09

             
株の暴落に関する学僚とのMailの往来から
 
[ M先生からの来信]
株価が世界的に急落しているようです。
昨日にはニューヨークでダウ平均で1万ドルを割り、今朝は東京で日経平均で1万円を切りました。
このことは、我々の生活にどのような影響があるのでしょうか。
また、額に汗することもなく、株の取引で一儲けを企んでいる連中に対してはどうで しょうか。
取り急ぎ、お伺いまで。

 
[返信]
M先生
貴ご指摘の通り、昨今の株価の暴落は恐慌を予測させるものがあります。
「心理的な不安感」(これが一番恐いのですが)が増大・蔓延して最悪の事態を招きます。
企業から見ると、国際会計基準は時価主義ですから、自社株が下がれば信用力が低下して配当が
期待できないと判断されて投資する人は減少します。
保有している他社の株価が下がれば自社の資産が減少しますから担保能力が低くなり、金融機関から
融資を受けにくくなります。所有する不動産(曾ての含み資産)も売れないから時価が下がり、担保にもならず、
改革のための新増設も出来ません。
作ってもさっぱり売れません(デフレ)から収益を出せずに減収・赤字の泥沼から抜け出られなくなります。
そこで生き残りのために経費を節減し、リストラで従業員の首を切ります。

個人を見ると、給与は上がらず、保有株価の下落により資産が減りますので可処分所得が減り購買力が落ち、
社会全体としての有効需要が減少します。
デフレの上に路頭に迷う失業者が溢れることになります。リストラされた人は、家のローンすら支払えなく
なりますから中古住宅が溢れ、新規住宅建設は止まります。この悪循環が重なって短期間で最悪の事態を招き、
道徳の荒廃から犯罪が多発し、社会暴動や戦争の火種となりがちなことは歴史が示しています。

1930年代の世界大恐慌は、やはりウオール街が発端となりました。
時代は経ましたが、今回の最大の原因は、経済循環のサイクルに起因するものではなく、人為的な、
社会や国の持続的発展などを全く眼中に入れない一過性の甘い利益を追求した「金融工学」という得たいの
知れないまがいもの(これがノーベル賞とは!。正に質が低下しているのです)に乗せられたのです。
アメリカの信用有る(?)大手が売り出した金融商品だからと、疑いもせず引きうけた世界の金融機関の無定見さは、
大戦中に相手国の経済混乱を目的に印刷された偽札戦略に巻き込まれたのと本質的には変わるとろがなく、
国民を乗せた金融機関の責任も重大で、火元と同様に極刑に価いする経済犯罪(特に戦時では大重罪)です。
これは丁度「永久エンジン」の存在を信用したと同じ事なのです。
然し、社会的に責任を負う立場にある企業(まして長たる者)は、「私も騙された」では決して済まされません。

発端の火元のアメリカは、基軸通貨の維持のためにも、又道義的な事態回収の意味からも、大統領が主導を執って
国費(多くの納税者は私企の国費救済に反対してはいますが)投入による救済に向かっていますが、国家が買い取る
件の金融商品は「ゴミ屑に少々の優良品を組み合わせたて薄味をつけた程度の内容」で、国の購入価格相当で売れる
メドはなく、その差額の損害は結局国家が負担することなりましょう。それはとりもなおさず、米国の国債を多量に保有する
我が国が負担する形になるのです。「盗人に追いカネをやる」博愛の政治をしている国(これを同盟国と言います)は
誠におめでたい限りです。

さて、我が国の新政権はこの難局を如何に切り抜けるのでしょうか。大金持ちでカネに不自由をしなっかた生い立ちの
宰相(しかし今回の株価暴落ではそれなりに大き影響を受けたのかもしれませんが・・・・)の采配や如何に?。
世界を巻き込んだ戦後最大の経済危機なのかもしれません。

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