横八会員投稿 No.293

題名   真打ち披露
投稿者  伊藤 博  (7組)
掲載   2008.11.11


ウノ目タカの目

                     真打ち披露


国立演芸場の11月の上席は真打ち(日替わりで一人ずつ)披露公演である。

最近ベテランと呼ばれる噺家といえども、真に笑いを取れる芸人が少なくなり、
伝統芸能の伝承の上からも淋しく感じていたが、本日は久しぶりに披露公演を盛り上げた
先達の絶妙な話芸・諸芸を堪能して寿命が延びた思いがする。


唯一残念なことは、新真打ちのトリの高座では眠けを禁じ得なかったことである。

「間」に欠けるから単調さをぬぐい切れない。笑いの壺を外す。


真打ちへの昇進は師匠(同業者)が決めるしきたりで、「芸」は厳しく仕込まれるが、
最終的には笑いを取るノウハウを体得して初めて真打ちの入り口。これは先達から盗む以外にない、
お客様が笑ってなんぼの世界である。


本日のトリも本質的には才能の片鱗は伺えるので、しばらくは、真打ちを師匠に質入れして、
世間さまから笑いで質草を稼いだ上で、生まれ変わって立派な真価の蔵出しをして欲しいものである。
毎日の精進、毎席が勝負であろう。

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