横八会員寄稿 No.230

題名  私が滞在した国の主食
寄稿  近藤礼三 (6組)
掲載  2008.02.10

  チャットで保坂君から私が現役時代に滞在した国の主食を書けとの仰せを受けました。
  チャットでは文章が長くなり読み辛いので、投稿欄にてお答えします。

  私の海外滞在は約30年前のブラジルからスタート、以降産油王国から発展途上国へと次第にレベルダウン。
  夫々の国の主食の記憶を辿りながら書いて見ます。

  ただ予め断っておきたいのは、滞在中はホテルと自炊の文明食が多く現地の本当の主食を味わう回数は多くは
  無かったことはご了解下さい。
  発展途上国においても日本食独特の食材に拘らない限り、現地のスーパーや市場で相応の食材の調達が可能で、
  あとはその時の滞在環境と食い意地次第で、幸いにも私は食事であまり苦労した経験はありませんでした。

  ブラジル  主食はフエジョンといって米と赤っ茶けた豆を煮詰め塩を加えたもの、でなかなか美味しいです。
         オカズはフエジョワーダ、これは豚の内臓、足、しっぽ、etc.に黒豆を加え煮込んだもの。
         宿舎のメイドがSr. Kondoは何でも食べるから、と言って彼女達の輪の中でご馳走してくれたけど、
        これだけは一口食べ、猛烈な臭気と油でギブアップ。
        私が食事でギブアップしたのは今迄にこれだけです。
        他には有名なシュラスコ(焼肉の類)ですが、これは贅沢料理です。

  サウジアラビア
        主食はホブスと言い、小麦粉に少な目に水を加え塩を加え薄く焼く直径25cm程の味無しパンで
        噛み締めているうちに味が出て来ます。これは国策で非常に安く、どのこの町でも売っています。
        これを千切って、羊かラクダの乳から作ったヨーグルトにオリーブ油を加えたもの(名前を忘れました)。
        につけて食べます。
        また店には乳で作ったチーズがショウケースに置いてあり、日本の豆腐に色も形もそっくりです。
        豆腐と思い込み大得意で買って来た日本人がいました。
      
        また有名な羊の丸焼きは家族揃ってのピクニックや祝い事や賓客の接待する時の最高の御馳走です。
        でも直前まで生きていた羊が丸焼きにされテーブルに登場するなんて、アラブ人特有のキャラクターがないと
        わかりません。
        そしてその味は、日本の洗練されたマトンに慣れた日本人は強烈な臭いにまずギブアップ。
        食卓には羊の色々の部分が現れ、その中の脳味噌は臭いも無く湯葉に似た味。それから目玉も。
        特に白目のゼラチン状のべろんとしたのは絶品ですが、日本人で進んで食べるのは私だけでした。
        また羊のペニスをマグロのとろと言って、日本人に食べさせたこともありました。
  
 モンゴル  
        羊に始まり羊で終わるといっていいでしょう。
        主食は羊の肉を羊の乳で煮込んだスープ、これに米や麦または稗や高粱を炊いたご飯にかけ食べます。
        モンゴル人の住居ゲルを訪れた折に、馬乳酒を飲みたいと言ったところ、オフシーズンで切らしているのに
        珍客到来で無理をして調達したのでしょう。
        でも馬の臭いが強く、ゲテモノ食いの私も数口でギブアップしました。
        因みに馬乳酒はアルコール度が低く保存がきかないので輸出は無理、味わうのは現地限定だと思ってください。

  パプアニューギニア
        第二次世界大戦で日本軍の悲劇の一例は、丑寅エイトNo.73の下里一也君の「拉孟守備隊の戦い」
        で語られましたが、パプアニューギニアの悲劇は人数的には本大戦上の最大の惨状と言えましょう。
        ミッドウエーの海戦で戦況が逆転、パプアニューギニアに追い込まれた日本軍が4千メートルを越える高地や食の
        得られない山中を彷徨い、14万人中11万人を越える餓死者を出したと言う悲劇を刻んだ国なのです。

        赤道に近い高温多雨、天然の食料が容易に得られるという概念が日本軍高官の頭の中にあったのかも
        知れませんが、実際の収穫物はタロイモを代表とする芋類に、少量のバナナやココ椰子だけで非常に乏しく、
        住民は主にオーストラリアからの輸入食料に頼っています。
        一昔前、住民は鰯の缶詰を食べることが最大のご馳走とか、という話を聞きました。
        海でうまそうな魚が獲れるのに、市場に冷凍設備がないので、炎天下なぜか水を掛けて売っていました。

  ニジェール
        この国も清貧国で住民の食料は乏しいものです。
        主食はミレット(粟)やキビの雑穀にとんもろこし、稗、芋類ですが、近年はタイ米、エジプト米も多く食べています。
        野外のマーケットに大型のイナゴの乾燥したのが売っており、これは貴重な蛋白源であると共にアフリカの
        イナゴの襲来の凄まじさが想像出来ました。

  ヨルダン 
        元々はヨルダン川を流域の農業国でしたが、隣国レバノンの崩壊後、この国は中近東のオアシス的な
        存在となりました。
        食生活や主食は基本的にはサウジアラビアとほぼ同じですが、近年、特に首都アンマンでは
        世界各国の食料やお酒が販売されており、映画アラビアのローレンスで御馴染みの風景を売り物に
        日本からの観光客をもっと伸ばそうと盛んにPRしています。
        この国が私の現役時代の海外業務滞在の最後の国となり、これまでは全て単身でしたが、私は家内を
        2週間程呼び寄せ、四国程度の大きさしかないヨルダン国内を回りました。

   さて、私はモンゴルとヨルダンからの帰国時、街角のパン屋で最もポピュラーなパンを買いお土産としました。
   当時は中高生であった私の子供は学校へ持参し友達数人で味わい社会勉強、また知人も珍しいので大喜び。
   お金も掛からず素朴そのもので、我ながら良いお土産だと思いました。

   皆さんが海外旅行に出掛けた折、お土産に頭を悩ますことがありましたら、高価な土産はもう結構の時代です。
   ごく普通の街角で現地の人が日常食べている主食を買い、お土産とすることも一つのアイデアです。
   でも中にはお値打ちの土産を期待し、がっかりする人もいるかな?
   

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