横八会員投稿 No.345

題目 ジャズコレクション
投稿 伊藤 博 (7組)
掲載 2009.06.02

ウノ目タカの目     
                 ジャズコレクション


最近各地の町おこしで「ジャズ」が復活しつつある。
ジャズの生命は優れた即興演奏にある(ロベルト・ゴーファン)。
生演奏に触れてその魅力に開眼する機会が増えるのは結構なことである。

そこで、ジャズフアン必見の内田修ジャズコレクション
(平成20年11月岡崎市図書交流プラザ[Libra]内にオープン)の膨大なコレクション
を紹介したい。

ジャズ界では世界有数とうたわれており、名のあるジャズミュージシャンとの心温まる
交流を垣間見ることが出来る第一級の資料である。

内田修氏は1929年の岡崎市生まれ。名古屋大学医学部を卒業。
1961年内田外科医院を開業し第一線の外科医として活躍する傍らで趣味のジャズにのめり込む。
1993年同病院を閉じてを引退を機にその膨大なコレクションを岡崎市に寄贈。以降、
自由な立場で、日本のジャズ発展に尽力している。

内田氏は大学医学部時代からジャズに目覚め、1952年、ジャズ愛好クラブ
「ホットクラブ・オブ・ジャパン名古屋支部」を設立し40回にわたるレコードコンサートを開催。

また、1964年設立の「ナゴヤヤマハ・ジャズクラブ」(33年間で150回開催)の
主宰者でもある。

「内田修ジャズコレクション」の内容は、

レコード

1950年代から約40年間、内田氏の審美眼で収集した12,308枚(輸入盤

4,742枚、国内版7,566枚)。ブルーノトー、プレステージの10インチ盤など世界に
類のないコレクションで、非常に価値が高くコレクションの核ともなるものである。

秋吉敏子、渡辺貞夫ら日本のジャズレコードが多く含まれているのも特徴である。

オープンリール

録音テープ8,487本は、1950年代から1990年代後半に至日本のジャズ史の側面を
記録した貴重なもの。銀座のシャンソン喫茶「銀巴里」での「新世紀音楽研究所」のメンバーに
よる実験的なジャズ演奏を捉えたものや、内田氏主宰の「ナゴヤヤマハ・ジャズクラブ」の
150回に及ぶ演奏が収録されている。

書 籍

「ダウンビート」(アメリカ版)480冊、国内版「ジャズジャーナル」181冊、
「スイングジャーナル」(国内最大手の出版物)526冊などジャズ専門誌が約2,200冊

圧巻なのは、1947年発刊以来、我が国のジャズの推移を記録してきたスイングジャーナルの
創刊号から一部欠品を除き大部分が揃っていることである。

オーディオ装置

ジャズの息づかいを実感するレコードの再生を目指して、オーディオ装置にも厳しいクオリテイー
を要求した。その結果集められた1960年代を代表する名器たちである。

ドクターズ・スタジオ

内田病院の一角に創ったスタジオが移設・再現されている。
副調整室付き放送局仕様の本格的なもので、スタジオ兼リハーサル室、レコード観賞用
オーディオルームとして活用された。

多くの一流のジャズプレイヤーが訪れて先人の残した名演奏を聴き、採譜して自分の演奏の参考に
するなどライブラリーの役割も果たしていた。正にジャズミュージシャンのメッカであり
オアシスであった。

秋吉敏子が弾き込んだピアノ他世界の有名プレイヤーの使用した愛器の数々が展示されている。

岡崎市は、内田氏の生涯活動の成果としての文化遺産であるこのコレクションを基盤とたジャズ
界への功績を讃え、日本のジャズの発展と岡崎市の文化振興のためこれを保存し整備活用事業を
推進している。

岡崎は三河の中心。徳川家康を生んだ風光明媚で歴史豊かな城下町。岡崎城を中心にして見る
べき史跡も多い。
名古屋・豊橋からのアクセスも良く、三河国定公園の景観にも近い。史跡散歩で訪れる価値の
ある古くて新しい町である。

その折にはジャズフアンならずとも、感ずるところ大なりと思われるので、是非このコレクション
に立ち寄られてはいかがであろうか。

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