横八会員寄稿 No.320

題名 ウノ目タカの目、3題
   
    その1.地球を救う無線電力伝送
    その2.夢を追うツケ
    その3.荒れる森林

寄稿 伊藤 博 (7組)
掲載 2009.03.17

         その1.地球を救う無線電力伝送

3月10日、京都大学 宇治総合グラウンドにおいて、太陽発電衛星研究会(東大、京大、東工大、
慶大その他の多数の大学、
JAXA 宇宙科学研究本部をはじめ多数の企業が参加した官民学一体で
推進している研究・開発・産業化研究組織)による、世界で初めての飛行船から地上に向けて
マイクロ波による無線電力伝送実験が行われ、予想された成果が確認された。

この電力・情報同時伝送技術、無線電力伝送システムの小型化技術・遠隔操作技術に関する技術の
検証は我が国から世界に発信しうる最先端技術であり、移動体による災害時用ユビキタス電源システム
として役立つばかりではなく、「宇宙太陽発電衛星」の実現に向けた一歩としての重要な位置づけと
なる実験である。

    「太陽宇宙発電衛星」は、地球温暖化に歯止めをかける大型クリンエネルギーの本命として    
    その建設打ち上げによる多大な経済波及効果が経済の活性化をもたらすと同時に、完成後は 
     昼夜、天候に左右されない極めて安価な電力を無限に供給し、世界の持続的な発展に大きく 
     貢献するものである。

            その2. 夢を追うツケ

厚生労働省の国民年金及び厚生年金の現況及び見通しによると、将来的にもらえる年金は現役時代の
収入の約50%となっている。

その根拠となる計算基礎(国立社会保証・人口問題研究所のデター)は、

1.年金の利回りが4.1%、
2.賃金の上昇率が年平均1.5
3.標準世帯のモデルケースは、
    20才で結婚。
    夫は40年会社勤め。妻は40年間専業主婦

以上のような素晴らしい前提が成り立つ世界が日本の何処にあるであろうか?
そこで現実を見てみよう。
消息筋によると、年金積立金管理運用独立法人の運用実績(2月末公表)は、

19年10月〜12月 ▲5兆7,398億円。4月から見ると8兆6,738億円の目減り。
19年度の実績の見通しは、▲5兆8400億円で2年連続の大幅目減りが見込まれるという。

過去8年間の運用実績の合計を見ると、+1兆6,688億円。年平均2,086億円で、運用会社の
手数料400億円を引くと、1
,600億円(利回り0.13%)に過ぎないとの分析がある。

国民は夢を託し、党利党略の政争に目をくらまされていないで、常に現実を正確に直視する自助努力を
怠ってはならないという一つの事例であろう。



         その3. 荒れる森林

先の大戦で国は敗れて山河は残ったが、無定見な都市化と宅地造成により里山は失われ、
自然は遠いものとなった。

日本列島を覆う森林は輸入外材との価格競争に敗れ、山守の人もなく荒廃に任せている。

そこで、所有者が自ら管理整備が出来ない森林を、国、地方公共団体、森林・林業者が一体となった
分収方式により造林をする目的で、昭和40年代を中心に都道府県が設立したものが全国に約40に
およぶ公益法人の森林公社である。

これまでの造林実績は約40ha。然し、上記の理由で経営状況は極めて厳しい状況にある。

本年3月末現在で、全国の分収面積合計は3,898百万haに対して、長期借入金残高が
10,392億円(ha当たり、267万円)。その大部分は都道府県の融資で、すでにその負担は限界
にきている。入り口は造ったが、出口のない行政の片肺飛行では墜落するのは理の当然。

森林は空気を清浄にして、温暖化ガスを吸収し、水害等の自然災害から守る重要な役割を演じている。

根本的には、国産材の有効活用を本格的に推進しない限り森林行政は破綻する。森が破綻すれば
国が危うくなる。
建物はその国で育った木材が最適であり、1000年を経た世界最古の木造建築が法隆寺であることを
再認識すべきであろう。

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