横八会員寄稿 No.219

首題   歴史探訪、昨日の敵は今日の友
寄稿者  伊藤 博 (7組)
掲載    2008.01.25

歴史探訪
 

           昨日の敵は今日の友

 

今、米国大統領選挙がたけなわであるが、それに付けて想い出すことがある。

 

昭和26年(1951)、後の米国大統領、当時は下院議員であったケネディーが国際会議の帰途日本に立ち寄った折、一人の日本人を捜して欲しいとの依頼があった。

調査の結果、それは当時福島県塩川町町長であった花見弘平と判明。ケネディーは自分の写真の裏に、「昨日の敵は今日の友」と書いて手紙と一緒に贈った。

 

話は日本の敗色の濃い昭和18年(1943)8月3日深夜に遡る。

ソロモン海域のファーガソン水路で駆逐艦「天霧」は前方800メートルに、米軍の魚雷艇(PT109)を発見、これに体当たりして炎上撃破した。その魚雷艇の乗組員14名中2名死亡、11名は至近の珊瑚礁まで5キロを泳ぎ生還した。その米魚雷艇の艇長が後の大統領ケネディー。駆逐艦「天霧」の艦長は花見弘平であった。これは嘗て映画化されたと記憶している。

 

時が流れてケネディーが大統領選に出馬することになった。アメリカのキリスト教徒は、プロテスタントが2/3を占め、カトリックは1/3でそれまで大統領は出ていなかった。

対する候補のニクソンはプロテスタントなので優位と目されていた。

そこでケディーの応援要請に応えて、花見は元駆逐艦「天霧」の乗組員を派遣。嘗て死闘を演じた敵が、今恩讐を越えて選挙を応援する光景は騎士道の象徴であり、西部劇を好むアメリカ民衆の心を掴んだ。選挙の得票率で0.04%のタッチの差でケネディーが勝った。勝因の一つに、「天霧」の乗組員の協力があったと当時の新聞は報じている。

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