横八会員投稿 No. 771
投稿:伊藤義郎 (8組)
題名:首里城炎上
掲載:2019年11月1日
首里城炎上
沖縄・宜野湾市在住の宮城幸盛君(4組)に吉田隆司君(8組)、永井純也君(1組)と会いに行った時が、
首里城と私との出会いでした。
真ん中のお庭に立つと四方を真っ赤に塗られた建物に囲まれて圧倒され、どことなく中国・北京の紫禁城を想い
出したものでした。
二度目に城を訪れたのが妻との結婚五十周年の記念旅行でした。宜野湾市にホテルを予約しておきながら、
車を飛ばして真っ先に訪れたのが、那覇市内のお城。ゆったりとした坂を上ってゆくと「あった、あった。」
『守禮之邦』(守礼門)である。相変わらずどっしりと重厚なたたずまいで私たちを迎えてくれました。
中へ入ると、まさしく偶然としか言えない沖縄舞踊の演目が当に始まらんとして居りました。場所は南殿の番所
(ばんどころ)、折りたたみ椅子が五十脚ほど並べられた屋外劇場。最前列に二人で陣取りゆっくりと踊りを堪能
することが出来ました。
写真でおわかりのように四つの踊り(一、四つ竹、二、上り口説、三、むんじゅる、寿、浜千鳥)から構成され、
何れもどこか哀愁を帯びたような静かな踊りに感じました。踊り手は全て女性で男踊りも踊り歌舞伎とは逆で、
その点そこはかとない色気を感じ、又、優雅にも見えました。
私達にそんな思い出を残してくれた、あの首里城が炎に包まれ見ている間に炎上、跡形もなく燃え尽きてしまいました。
全くもって慚愧の至りです。城内土産店でその際買ってきて、玄関に飾ってあるシーサーの置物もこの二三日は
なんとなく悲しげな表情に見えるのは気のせいかな。