横八会員投稿 No.698

投稿:近藤礼三
題名:我等住民と自慢の桜並木の高齢化は同時進行しています。
掲載:2017年4月13日

我家の住所の名称は新桜ヶ丘、かってソニーがこの一帯ならば世俗から隔離され、静かに研究に
勤しむことが出来るとして、広大なソニー研究所を設立した場所から程遠からぬ所にあります。

近傍に桜並木の見事な桜ヶ丘という住宅街があることから、それにあやかろうと昭和30年代に
不動産屋が新桜ヶ丘というネーミングで大々的に売り出した新興住宅地でした。

まあ、隠遁生活の研究所には向いていたかも知れませんが、庶民の通勤通学そして買い物は
至って不便で、一時期は不動産屋が住民に詫びとして、最寄り駅までの住民専用の特定バスを
運行する僻地ながらも、キャッチフレーズの桜並木だけは自慢の住宅地でした。

しかし、ソニーは研究所と云えどもやはり適度の世俗の刺激は必要と感じたのでしょうか、20年程前に
当地を撤収、多分買い手がつかないのでしょうか、広大な跡地は今も手付かずのままで、
周辺住民の多くは、そのまま自然に戻ることを願っています。

さて、我家はこの地に住居を構え45年、当住宅地の桜並木は一時期には横浜桜名所のベスト10
内に数えられ、その時期に友人等を招待するに値するほど見応えがありましたが、その後の25年
周辺環境は環状4号線の開通で、最寄りの東戸塚駅まで距離感は縮むとともにすっかり変わりました。

駅近に大型スパーの開店で住宅地の商店街の廃業と共に、住民の高齢化が進み、自慢の桜並木
も住民に合わせたように老化現象や虫害に虫食まれ、現在はご覧の様に桜の木は最盛期の
3分の1程度になってしまいました。

でも数は少なくなっても、残りの桜は今年も見事に咲き誇り我等に春の息吹を与えてくれます。
住民は残った桜に感謝、来年も次の年も共に春を迎えようね、との気持ちで数日後には散りゆく桜に
別れを告げます。

      

      

      

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