横八会員投稿

投稿:伊藤 博(7組)
No.58
題名:美の粋、蘇我粛白の世界より
掲載:20120504

*美の粋*

              曽我蕭白の世界より

千葉市美術館は優れた企画展で広く知られている。

現在「蕭白ショック!」と題する特別展(4月10日〜5月20日)を開催中。
選りすぐった曽我蕭白の秀作に加えて、彼に影響を与えた京画壇の著名な画家の作品も併せ展示して、
この稀代の鬼才の全体像を明らかにしている。

じっくりと蕭白の世界を逍遥すると、ある複数の作品に、落款の近くにそれぞれ異なる奇妙なデザインの
小さな図柄が描かれていることに気が付く。

ものの本によると、蕭白に独特の別用体の「花押」であるとしているが、その絵解きはいかがなものであろうか。

本来「花押」は署名 の代わりに使用される記号。
作品に「落成款識」の押印をすれば、署名を意味するものであり、「花押」は証の重複で敢えて付記する必要はない。

その上に、そのデザインが作品毎に変わるのでは、真偽の識別すらできない。いくら蕭白が奇行の異色画家とはいえ、
この奇妙な添え書きを「花押」と見なすのは短絡的で根拠と説得力に乏しいように思われる。

毎回変わるのは奇妙なデザインの小図のみではない。

署名も、明大祖皇帝十四世玄孫蛇足軒曽我左近次郎暉雄入道蕭白画 、従四位下曽我兵庫頭暉祐朝臣十世孫蛇足軒蕭白
左近次郎 曽我暉雄行年三十五歳筆
、式部太輔蛇足軒暉雄玉入道十世曽我左近次郎蕭白暉雄筆 等々のように敢えて
大仰な異なる名を名乗っている作品が目をひく。蕭白の生い立ちからくる深層意識(強者へのコンプレックス)
の顕れなのかもしれない。

膾炙されている花押説から一歩ひいて、改めて自らの新鮮な感性で作品を観ると、この奇妙なデザインは、
意匠様式に共通の特徴はあるもののまるで似て非なるものである。

むしろ、各作品に秘められた蕭白の謎のメセージであり、それを解くカギ、暗号ではなかろうかとの思いが浮かぶ。

このミステリヤスな新たな仮説の立証を考えるのも楽しく、蕭白探究への好奇心は尽きることがない。
美術鑑賞のもたらす楽しい一面である。

蕭白の作品は、ブラウザーを検索すればその代表作を鑑賞することができる。

          

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