横八会員投稿 No.499

題名:角界の現状から見えるもの
投稿:伊藤 博 (7組)
掲載:2010.07.03

ウノ目タカの目

                角界の現状から見えるもの

もし、食品関係で健康上大きな問題が起これば、直ちに農水産省が、医療関連の不祥事ならば厚生省、
金融関係で不正があれば金融庁、土木・建設の談合が発覚すれば国土交通省等々、それぞれを所管する
省庁の監督責任が厳しく追求されるのが常です。しかるに、今回の特例公益法人・日本相撲協会の国民の
信頼と公序良俗に反する重大事件については、所管する文部科学省の監督責任についてマスコミでは殆ど
言及されていないのは不思議な現象です。

国技だから例外措置を受けているからでしょうか?あるいは、天皇杯を賜っているからでしょうか?

先ず、天皇杯について見ますと、弓道、剣道、柔道、卓球、軟式野球。東京六大学野球、ソフトボール、サッカー、
中央競馬、陸上競技、水泳、体育、テニス、レスリング、農林漁業振興等々にも賜っていますので、相撲のみ
でありません。

では次ぎに、国技とは何かを思いを致すと、その国固有の文化や伝統に根ざしたスポーツ、競技・武術を
指しますが厳密な定義は無く、国内で最も人気のある国民的スポーツとも必ずしも一致しないようです。

確かに、日本では一般的に国技と言えば相撲という見方が浸透していますが、その根拠は極めて曖昧で
国の機関によって相撲が正式に国技と認められたことはありません。

相撲=国技の起源は、明治42年(1909)に両国に初めて相撲常設館が完成した際、国技館と命名された
ことにあるようです。
開館式でのある作家が書いた披露文に「相撲は国技である」という内容があったに過ぎないというのが定説のようです

財)日本相撲協会は、大正14年(1925)に大相撲の興行、相撲競技の指導・普及、相撲道の
維持発展と国民の心身の向上に寄与する目的で設立された特例公益法人ですが、現状は「興業に拘りすぎて
、公益法人としての責任義務を果たしていないのではないか」という意見もしばしば出ていると聴いています。

このところ散見する世間の注目を集めた出来事は、2007年八百長疑惑、2008年現役力士の
大麻服用が発覚(
協会の再発防止検討委員会が実施した抜き打ちドーピング検査で陽性反応)し当時の
理事長が辞職。
人気外人横綱の無断帰国と巡業休場問題が相次いで発生。2010年その人気外人横綱が別の不祥事の
責任を取り引退。
20106月には、現役の親方が武力団幹部に本場所に維持席で観戦させていた事が発覚。
さらに続けて力士が賭博がらみで暴力団から恐喝されていた事実に端を発する組織内での野球賭博の常態化など、
黒い事実が次々に明るみに出て枚挙にいとまがありません。

上記の実態は、公益法人資格から大きく逸脱しているとの強い批判があり、許認可権のある文部科学省は
自らの監督責任を明らかすると同時に、公益法人の資格返上までを視野に入れた処分が必要との識者並びに
巷の声を耳にします。

公益法人には優遇措置がいろいろあります。収益事業であっても公益目的事業として認定されたものは
収益事業から除外され非課税。
寄附者についても税制上の優遇措置が講じられる。また、公益法人内部で「収益事業等」の利益の
100%まで
非課税の公益目的事業へ寄附をする「みなし寄附金」処理もできます。また、運用財産の利子等については、
公益法人には所得税の源泉徴収もありません。

更に、相撲協会には平成19年度に文部科学省から補助金として約180万円が支給されています。
国所管の公益法人の全体数は約6200(公益法人白書・2007年10現在)。
その中で、国家公務員出身者が役員になっているのは約3200(2008年11月現在)。
内、文科省出身が約660で最大(20%)を占めています。

一相撲フアンとして、今回の騒動は根本的な対策で蘇生して欲しいと願っています。もし本当に相撲が国民の
支持を受けているのでしたら、特例公益法人か否かは問題ではないでしょう。いわゆる「国技」の甘えを捨てて、
公益法人の数々の優遇措置のぬるま湯から脱して、真に自らの生きる厳しい道を選ぶべきとの声なき声が聞こえて来ます。

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