<@器関連   航海レーダー           不能  39件
                 ジャイロコンパス
                  衛星航法装置

3.水中機器関連   水中攻撃指揮装置         不能  15件
                  探信儀
           対潜情報処理装置

4.通信電子関係   水上レーダー           不能  85件
           対空レーダー
           無線機
           衛星通信装置


そこで先ず、火災の要因分析の報告の中から気になる点をあげると、

1.CICには火災報知器が未装備(昭和52年以前の建造だったので)で火災発見が遅れたこと。

2.消火指揮に不可欠な館内マイク、無電地電話が不通になり状況把握、命令、伝達に不必要な
  時間を要したため鎮火に無駄な時間を浪費したこと。
  
  (有事の戦闘に際しては、通信系統の確保は最高重要課題であり、いかなる状況においても
  指揮系統に支障を来してはならないことは常識である)

3.無人となった最高機密のCIC室の施錠が(何故か)未確認であったこと。

さらに、火災の報告・通報状況を診ると、
「しらね」から直接外部への通報は一切なかった。
内部通報としては、火災発生の14分後、10:35AM「しらね」から第1護衛隊群司令部
に第一報され、これほどの重大火災でありながら、海上幕僚長から防衛大臣に報告されたのは、
実に翌15日(土)0:00AMまで極めて長期間を経ていたのも頷けない。 

また、重要な外部への報告も、12月14日(金)11:30PM 横須賀地方総監部より
海上保安庁第3管区海上保安本部に。
11:30PM (付近住民の通報によって)横須賀市
消防局からの問いあわせに状況説明。

翌日15日(土)になって、0:58AM 神奈川県庁に、1:14AM 米海軍横須賀基地に、
2:37AM横須賀市市役所に通報された。

この火災の原因究明の調査は、横須賀地方警務隊が中心となって、横須賀市消防局、神奈川県警
科学捜査研究所、消防庁消防大学校消防研究センターの全面的な協力のもとに最高スタッフを結集
して究明したにも拘わらず、最終結果は原因を特定できなかった(隠蔽がないことを祈るが)
ではすまされる問題ではない。
世界から我が国のこの種の調査能力のレベルを厳しく評価される
ことを銘記すべきであろう。

再発防止の速やかなる対策が打たれたことはいう迄もない。
然し、肝心の真の原因を特定せずして、推定のみでは実効ある万全なる対策がたてられる筈がない。

一件落着したわけは決してない。
装置機器の精度は益々上がるが、それを使うのは人である。
この禍を国防の完全を計る好機として、人の心のねじを締める歯止めの抜本対策が急務であろう。
四海の波は荒れている。

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ウノ目タカの目

        「しらね」の火災から学ぶもの(U)

前回考察した護衛艦「しらね」の火災の重大損害の内訳に補足して、その第5番目として
「機密書類の全焼」を付記しなければならない。

調査報告書では保管庫内で全焼したとあるが、灰の残渣があるからといって、書類が全て
消失したとは必ずしも断定は出来ないのではなかろうか。

仮に、何らかの意図の盗難を隠蔽するために、火災で証拠隠滅を計るのは古典的な手口である。
CIC室の施錠が未確認であった事実はその可能性を類推させる隙を感じさせる。


(決してあってはならぬことだが)万が一にもそうだとすると、その影響は極めて大きい。

暗号はもとより、全防衛体制の要点、同盟国との共同作戦行動の詳細等々を、至急に全て
組み直す大規模な事態となろう。

機器類のみの損害だけならばスペアーで取り替えれば復帰出来る。また、他の同系の護衛艦が
代わってその任を遂行出来ようが、もし機密書類の漏洩となれば、全防衛システムを全て
根本的に緊急変更の作業となり、その影響は計り知れない。

だからこそ、この事態の究明は、曖昧に切りをつける訳にはゆかない由縁であろう。