横八会員投稿 No.554

投稿者:伊藤 博 (7組)
題名:杏林の虎
掲載:2014年2月12日

ウノ目タカの目

        杏林の虎 


神仙伝によれば医療界を「杏林」という。三国時代の昔、呉の廬山に医療に長けた薫奉という人がいた。

彼は病を治療しても少しも報酬を受け取らなかった。


ただ、病気が治った者には、庭に杏の木を程度に応じて、重かった者は五本、軽かった者は二本植えさせた。

それがやがて十万株にもなり、沢山の杏が採れるようになった。


彼は倉を建ててそれを収穫し、杏を欲しいものは器で杏一杯につき穀物一杯を出すべきとの高札を出した。

それで得た穀物は全て貧民に施した。


ところが、中にはあさましくも、杏を誤魔化して沢山せしめる不届きな奴も出てきた。

そんな奴が来ると、杏の林から猛虎が現れてそいつを追い払ったという。

以上は、陽明学の泰斗・安岡正篤が紹介している逸話である。

今日は薫奉のような人も希になり、虎に逐っ払らわれるような人間が無闇に多くなったと結んでいる。


医療法人徳洲会は昭和48年(1973)、医師・徳田虎雄が大阪・松原市に開設した病院をはじまりとする

日本最大規模(世界第
3位とも言われる)の医療法人グループである。僻地を含む全国各地で66の病院と200を超える

診療所
・医療施設を運営する。


いみじくも創始者の名にある「虎」という字が逸話に出て来る虎と共通しているが、医学と虎との結びつきは思いもかけぬもので、

偶然のなせるわざであろうか。


徳洲会は「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」を目指し、「生命だけは平等だ」の理念をモットーに掲げ、

年中無休・
24時間体制」で患者と向き合っている。


この理念の実践が嘗て医師会の反対に遭った。各都道府県で直面した病院設立の妨害・難儀を解決するために政界入りを果たし、

規模の経済を活かし、合理化によるコスト削減の成果を離島などの僻地医療、夜間、救急医療などの充実に投入して、

「生命を安心して預けられる病院」、「健康と生活を守る病院」の新規建設に執念を燃やし続けてきた。


徳田虎雄自伝には、この理念は命が尽きる幼い弟に何も出来なかった少年時代の悲しみ悔しさから生まれたと記されている。

国外で起きた災害への救援活動にも力を入れている。NPO法人TMATを設立。1999年台湾大地震、2010年ハイチ大地震、

チリ大地震に累計
400名以上のスタッフを現地に派遣し、厚生労働省からも高く評価された。

東日本大災害には医師を含めて5,781名を派遣している。(*:寄稿.No.110、2013年3月23日付掲載参照)


徳洲会の評価は様々であるが、医師会の既得権益に抵抗の一石を投じて、僻地を含めた各地で年中無休・24時間体制で救急医療が

受けられるようになった医療界に残した足跡は大きい。

徳洲会グループの拡大が市井から厚い支持を受けているなによりの証であろう。


しかるに、昨今、選挙違反を巡る醜聞が報道されているのは誠に残念である。

政界の権力の魔力に陥ったことは、門外漢から出た不覚の錆びであろう。


初心に立ち返り、本道に集中し鋭意邁進して欲しい。それが、多くの市民の望むところであろう。

「追われる虎」から、「追う虎」・
薫奉への原点復帰である。


人事も刷新されて、新理事長の年頭の抱負では、設立時の基本理念の法灯をしっかりと受け継ぎ、「医は仁術」の徹底への新なる決意を述べている。]

一過性の好ましからざる悪しき風邪を完治・一掃の上、市民の意に即した医療体制jの持続的な一層の充実が期待される。


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